マンション売却 税金 譲渡課税 減価償却費

譲渡課税と減価償却費の関係とは?

前頁の【不動産売却に必要な費用・税金】で説明した、譲渡所得税について、もう少し詳しく補足解説します。

 

*平成23年6月30日現在 関連法令に基づく

 

【課税方法】

 

土地や建物を売った時の譲渡所得に対する税金は、事業所得や給与所得などの所得と分離(分離課税)して、計算することになっています。

 

 

【計算方法】

 

まれに、『譲渡所得は、売却価格から、(購入した物件価格+取得の経費)を引いた金額』と説明していることがありますが、これは誤りです。

 

課税の対象になる譲渡所得は、
『売却価格から、(購入した物件の価格+取得の経費+譲渡の経費−減価償却費)を引いた価格』となります。

 

減価償却金額が大きいと、物件の売却金額が、購入した金額より低くても、課税されることがあります。

 

前頁で掲載した計算式を所得税、住民税を個別に標記すると以下のようになります。
一定の要件のもとに各種特例制度の適用がありますが、理解しにくくなりますので、特例制度の適用は無いこととします。特例制度いついては、別途 解説します。

 

所得税 
     ・譲渡収入金額 − (取得費+譲渡費用) x 15% 
     (長期所有の場合。 短期は30% 前頁参照)

 

住民税
     ・譲渡収入金額 − (取得費+譲渡費用) x  5%

 

     (長期所有の場合。 短期は9% 前頁参照)

 

 

■譲渡収入金額は、売った物件の価格です。

 

■譲渡費用は、売るときに掛かった経費、つまり不動産会社に払う仲介手数料や収入印紙、測量費など直接必要な経費です。

 

■分かりにくいのが、取得費! 取得費は4つに大別できます。

 

@土地・・・購入代金(減価償却対象外)
A建物及び付属設備等・・・未償却残高(=購入代金−減価償却費相当額)
B物件購入時に掛かった経費。仲介手数料や印紙、登記費用等。
C物件購入後に掛かった設備費や改良費。

 

このうち、Aの建物及び付属設備は、購入代金や建築費がそのまま取得費になるわけではありません。
建物などは期間が経過すると価値が減少すると考えられます。

 

購入代金からその価値の減少分(減価償却費相当額)をマイナスしたものが未償却残高になります。
つまり、この金額が、売った時点の建物等の価値ということです。

 

減価償却費は、1年あたりの減価償却費相当額にその建物を取得してから売るまでの経過年数を乗じて計算します。
ちなみに事業用として使われていた場合は、建物を取得してから売るまでの毎年の減価償却費の合計です。仮に毎年の減価償却費の額を、必要経費として計上していない部分があったとしても、毎年の減価償却費の合計額とすることに変わりはありません。

 

減価償却費は、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費としていくべきものです。この使用期間に当たるものとして法定耐用年数が財務省令の別表に定められています。

 

 

【減価償却費の計算】

 

減価償却費の算式

@事業用建物の場合

 

減価償却費 = 建物の購入代金・建築代金 x 耐用年数に対応する償却率 x 経過総月数/12

 

A非事業用(自分の居住用等)建物の場合

 

減価償却費 = 建物の購入代金・建築費等 x 耐用年数の1.5倍の年数に対応する償却率 x 経過年数/12

 

(注)経過年数の1年未満の端数は、6ヶ月以上のとき切上げ、6ヶ月未満のとき切捨て

 

 

耐用年数と償却率(住宅用)

       構      造

耐用年数
(A)

Aの償却率

Aの1.5
倍(C)

Cの償却率
木骨モルタル造 20年  0.050 30年 0.034
木造、合成樹脂造 22年 0.046 33年 0.031
鉄骨造 鉄骨材の肉厚4mm長 34年 0.030 51年 0.020
鉄骨造 鉄骨材の肉厚3〜4mm 27年 0.037 40年 0.025
鉄骨造 鉄骨材の肉厚3mm以下 19年 0.052 28年 0.036
れんが造、石造、ブロック造り 38年 0.027 57年 0.018

鉄骨鉄筋コンクリート造り
鉄筋コンクリート造り

47年 0.022 70年 0.015

 

 

■平成19年4月1日の税制改正では、計算式で残存価額を差し引かなくなり、また備忘価額の1円まで減価償却を続けることとなりました。
■平成19年3月31日以前に取得した物件の償却は、残存価額が10%と定められています。
この残存価額を引いた金額が償却対象として、償却率を乗じた金額を毎年、償却していきますが、95%まで償却することが出来ます。つまり、残存価額は10%と定められているが、これはあくまで計算であって、実際は5%になるまで減価償却を続けることができます。
ただし、残った5%については、その後の5年間で備忘価額1円になるまで均等償却が可能になりました。

 

 

>次のページ【マンション査定に成功する10ヶ条】   >トップページ

 

譲渡課税と減価償却費の関係とは?関連ページ

不動産売却に必要な書類
不動産売却を決めたら、必要な書類を整理しましょう。これも重要な準備です。かならずチェックして下さい。
不動産売却に必要な費用・税金
不動産を売却するには、必要な費用・税金があります。予めチェックして、よく理解しておきましょう。

基礎知識 必要な書類と費用 査定に成功する10ヶ条 実例!体験レポート 不動産屋さんの本音 マンション売却Q&A